「害虫」について。

監督：塩田明彦（しおた・あきひこ）
主演：宮崎あおい（みやざき・あおい）
　　　蒼井優（あおい・ゆう）

監督さんは、今では有名な塩田さんです。隠された毒気があり。
ざらついた画面にやみつきになります。
「黄泉がえり」を単なる泣ける映画とはみれませんでした、、、
宮崎あおいさんは、NANA・NHK朝ドラに出ていて旬ですね、いま。
話は、青春もの？思春期の葛藤。
複雑な家庭環境・恋愛・悩み・現実逃避・友情 → 現実に着地する。
その時の少女の溢れる暗い運命の向かう先は、、、
と、よくある話のようですが、、、

台詞・音楽がほとんどありません。

風の音とか、遠くに鳴っている金属の音、、、
繰り返されるいろあさい風景、、、　ぞくっとするような視線。視点。

少女には、感情とか意思がないようにみえます。
何かのながれに乗り、そして、傷つき、、、落ち込み。
それでも、日常にもどります。
痛みなど感じていないかのように、、、
しかし、現実でもやはり傷つき逃げ場をなくした。
そして、走り出します。唯一、感情を表しながら、、、

『泣くことすらできないまま、少女の反抗は軽やかに加速する。』

ナンバーガールの「I don't know」がながれます、、、
あの娘の本当　　オレは知らない
あの娘のうそを　オレは知らない

結末。

　　　一度でも自殺をしようとした人からは、
　　　幸せが逃げてっちゃうって、本当ですか？
　　　ママはもう二度と幸せにはなれないということですか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　〜劇中文より〜

あらゆる悪徳こそが人間存在の本質であり、
善とはただかろうじて悪ではない状態に過ぎないのだと考えるのならば、
およそこの世で最も真実らしくないものを……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜劇中文より〜